昨日は映画「阪急電車」を観てきました。
原作はご存じの方も多いでしょうが、有川浩の
同名小説。
実在の路線、阪急電鉄今津線を舞台に、たまたま同じ電車に乗り合わせた乗客同士が少しずつ関わり合って、それぞれが抱えていた悩み事と向き合い、前向きな気持ちで歩み始めていく人間模様を描いた作品です。
※以下、ネタバレを含みますのでまだ小説も映画もご覧になっていない方はご注意下さい。
僕は昨年原作を文庫で読んだのですが、思いの外面白かったので、この作品が映画化されると知って楽しみにしていました。
ただ、原作ありの映像作品というのは小説の映画化にしろマンガのアニメ化にしろ、原作のエピソードをイジったりオリジナルエピソードを付け加えたりされるのがあまり好きではないので、そこら辺はすこし心配だったのですが・・・。
初っ端の図書館カップル(征史とユキ)のエピソードがなかったことにされていた!(爆)
まあ、この2人は早々に下車していきますし、他の乗客との絡みも少なかったので、映画の尺の都合などからすれば思い切ってバッサリいったのは英断だったのかも知れません。
ストーリーの中心となる3人の女性の配役ですが、
結婚間近だった彼氏を寝取られ、相手の結婚式に”討ち入り”した翔子役は中谷美紀さん。
暴力男との付き合いにウンザリしつつも別れを切り出せないでいた女子大生のミサ役は戸田恵梨香さん。
夫を亡くした老婦人の時江役は宮本信子さん(この方だけはよく存知上げませんでした、汗)。
キャストを知った時は、翔子役の中谷美紀さんは原作から僕の抱いていたイメージからするとちょっと年食い過ぎなんじゃないの?と疑問でしたが(失礼)、なかなかどうして、自分を裏切った2人を呪う純白のドレス姿や、列車内で思わず嗚咽してしまうシーンなど、さすがの演技でした。
ミサ役の戸田恵梨香さんも地元兵庫県出身ということで関西弁は自然ですし、僕の中のイメージともぴったりでした。
また彼女は実写版「デスノート」でも弥ミサ(ミサミサ)役を演じているんですね。しかもミサミサも関西出身の設定(京都府)という・・・コレ絶対、キャストを決める人が狙ってやったでしょ(爆)
時江役の宮本信子さんも、孫娘に対してであってもはっきりという、凛とした時江のキャラをピシッと演じていらっしゃいました。
それ以外の登場人物も、圭一と美帆の田舎出身(?)純情カップルといい、悦子と漢字のわからない彼氏といい、甘酸っぱいエピソードばかりで・・・1人で観に行っていた我が身はモジモジしっぱなしでした。
小説では想像に頼るしかなかった阪急電車の路線の様子も実写でそのレトロな列車やほのぼのとした沿線の様子が色彩豊かに映しだされており、関西にはまるで縁のない自分でもどこか懐かしさをおぼえました。
気がつけば2時間、完全に作品の中に入り込んでしまっていました。
「阪急電車」という作品も期待以上に良く楽しめましたが、最近は読書をしながらウェブサイトをみたりiPhoneをイジったりと、つい「ながら」をしてしまいがちですが、携帯電話の電源を切って暗闇で作品に集中できる映画の良さを再確認した一日でもありました。