昨日の夜に書くと言っておいて、書けず終いでした・・・(汗)
では、バフェット氏が1977年にフォーチュン誌に書いた記事、"How Inflation Swindles the Equity Investor"の翻訳の続きです。
(原文はこちら→ http://www.valuestockplus.net/2008/06/how-inflation-swindles-the-equity-investor.html)
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「誰も知らない数字」
私達に難しい問題を持ってくるのは―インフレ率です。誰一人として―政治家、経済学者、そして機関の専門家も(彼らは2,3年前に、あちこちを一押しすれば、熟練した印鑑のように失業とインフレ率が反応すると思っていました)、これに対する解答を知りません。
しかし多くの兆候が安定的な物価については否定的であるように思われます。それらの兆候とは、インフレは今や世界的な現象であるという事実;我々の社会の主要なグループがその選挙における力を経済的な問題を解決するよりもむしろ移動させるのに役立てているという傾向;後延ばしに出来るのであれば最も重要な問題(例えば、エネルギーや核拡散について)にさえ、正面から取り組むことを好まないとはっきり示されてきたこと;そして立法府の議員達の行動が短期的な恩恵をもたらすのであれば、たとえ最終的には複利で積みあがる長期間の苦しみが残るとしても、再選という形で報われるという政治的なシステム、です。
政治的な職に就いている者達のほとんどは、まったく当然なことですが、断固としてインフレに立ち向かい、そして断固としてそれを生み出す政策を支持します。(しかしながら、この統合失調症によって彼らが現実を見失うことはありません。連邦議会議員たちは彼らの年金が―民営部門で事実上全ての者が当然だと思っているのとは違って―退職後の生活費の変化に連動することを確保しているのです。)
将来のインフレ率に関しての議論は通常、通貨および財政政策の緻密さを精査します。これらはいかなる特定のインフレの方程式の結果を決定する上でも重要な変数です。しかし、元をただせば、平時のインフレは政治的な問題であり、経済的な問題ではないのです。貨幣ではなく、人間の振る舞いこそが鍵なのです。そして他ならぬ人間である政治家たちが次の選挙と次の世代との間で選択を迫られれば、通常何が起こるかは明白なことです。
そのような広範囲な普遍化は正確な数字を示しません。しかし、私には、将来のインフレ率は平均して7%になる可能性が極めて高いように思えます。私はこの予測が間違っていることを願います。そして恐らく、そうなる(予測が外れる)でしょう。予測が私達に教えてくれるのは、たいてい未来のことよりもむしろ、予測者のことです。あなたが自分の予測するインフレ率を投資家の等式に因数として用いるのは自由です。しかしもしあなたが平均2〜3%の率を見越しているなら、あなたは私のとは異なった眼鏡をかけているのでしょう。
したがって、次のようになります。利回りは税引き前及びインフレ考慮前で12%、税引き後かつインフレ考慮前で7%、そして税引き後かつインフレ考慮後では、もしかすると0%になるかも知れません。それは大衆にテレビをつけ続けさせるような公式にはとても思えないでしょう。
普通株式への投資家としてあなたはより多くのドルを得るでしょう、しかし購買力は全く増えないかも知れないのです。ベン・フランクリンではなく(“1ペニーを蓄えることは1ペニーを得ることだ”)、ミルトン・フリードマンを読みましょう(“人は資本を投資するよりも、消費した方がましだ”)。
(続く)