バフェット氏が1958年にパートナーシップのパートナー達に宛てて書いた運用報告の手紙、その日本語訳の続きです。
(パート?はこちら→http://www.sbi-com.jp/?m=pc&a=page_fh_diary&target_c_diary_id=243011)
昨年の後半、私達は魅力的な価格で最大株主になることが出来るある特別な状況を見つけ出すことが出来ました。そこで私達は保有していたコモンウェルス株を売り、その時点での市場株価は私達の売値より約20%も低い状況下で1株当たり80ドルを得ることになりました。
私達が1株50ドルで保有したまま、根気よくほんの少しずつ買っていくことも出来たのは明らかです。
そしてそのような計画では昨年の市場と比較した私達のパフォーマンスは劣って見えたとしても、私はかなり幸せだったでしょう。コモンウェルスの様な状況が利益を確定する結果になった年というのは、大げさにいってしまえば、偶然にすぎないのです。
それゆえ、私達のある単年度の運用成績というのは、長期的な結果を判断する基準としては重大な限界があるのです。
しかし、私はそのような過小評価に十分に保護された有価証券に投資するという綱領が証券による長期的な利益の最も確実な手段だと信じています。
この株を80ドルで買った買い手も長年にわたってみればかなりうまくいくだろう、ということは言っておきたいと思います。
しかしながら、135ドルの本質的価値に対する80ドルという相対的な過小評価は、125ドルの本質的価値と50ドルの価格とはかなり異なっています。そして私には私達の資金はそれに取って代えた状況の方がより良く運用できるだろうと思えました。
この新しい状況はコモンウェルスへの投資よりいくらか大きく、複数のパートナーシップの資産の約25%に相当しました。過小評価の度合いは我々が保有する他の多くの証券と同等(やや小さくさえあります)である一方で、私達は筆頭株主であり、そしてこのことが過小評価が修正されるのにかかる時間を決める上で何倍も大きな有利な点でした。
ことこの保有株式については、私達は事実上その保有期間におけるダウ・ジョーンズのそれよりも優れた運用成績を保証されているといっていいでしょう。
『現在の状況』
市場の水準が高くなるほど過小評価された株式は少なくなり、そして私は魅力的な投資対象を十分な数確保することに幾ばくかの困難さを感じるようになってきています。
稼動中の資産の比率を増やす方が好ましいのですが、これらは適切な手段を見つけるのが非常に困難なのです。
それゆえ、可能な限り、私はいくつかの過小評価された証券に大きなポジションを取ることで自分自身の稼動資産を創り出そうと試みているところです。
そのような行動は私の以前からの予想―下降または横ばい相場では平均を上回り、強気相場では平均並みの運用成績―を実現へと導くことになるでしょう。
私はこのことを基準にして自分を評価して欲しいと願っています。
もし何か質問があれば、遠慮なくお尋ね下さい。
ウォーレン・E・バフェット
1959年2月11日
(終わり)