本日、SBIホールディングスの決算発表でしたが、
それと共に、連結子会社であるSBIフューチャーズを株式交換により
完全子会社化するというIRが発表されていましたね。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120090427067493.pdf
IRによると、今年の7月28日付でSBIフューチャーズ1株につき
SBIホールディングス3株を交付して完全子会社化し、
同7月31日付でフューチャーズの商品取引受託業務を廃止するとのことです。
フューチャーズのオンライン外国為替取引事業はグループ内で事業承継させる意向のようですが、
同社の収益の99%超を占める商品取引受託業務を廃止するということは、実質的に清算といっていいと思います。
事業環境悪化で3期連続の赤字を出し歯止めがかからないことから、
完全に手遅れになる前に廃業して資金の流出を食い止め、
回収可能な資本があれば回収しようということなのでしょう。
問題は株式交換比率がどうなのか?ということです。
IRによると、両社はそれぞれ第3者機関に交換比率の算定を依頼し、
SBI株式については市場株価法、
SBIフューチャーズ法については事業継続を前提としないことから
時価純資産法と修正簿価純資産法を用いた結果、
概ね1:3前後の比率に収まった様です。
SBIが取得するSBIフューチャーズの未保有分株式は7,680株なので
SBIが対価としてSBIフューチャーズ株主に交付する株式は23,040株。
(※SBI株式は全て自己株式から充当するとのことです)
まずは単純に時価で比較してみると(4月27日時点での両社の株価終値)、
SBI株 3株:36,030円 23,040株:276.71百万円
SBIフューチャーズ株 1株:25,000円 7,680株:192百万円
となっていて、大きなスプレッドが存在しています。
もっとも、このスプレッドは明日以降、すぐにサヤ寄せしてしまうでしょうけど・・・。
また、3月31日時点での簿価で見てみると
SBIが対価として支払う自己株式の簿価が約484〜6百万円
SBIが取得するSBIフューチャーズの純資産(簿価)が約276.47百万円
となります。
まあパッと見た限りでは、現時点での市場価格と簿価を見た限りでは
フューチャーズの株主の方が有利に思える比率です。
それに単体では継続も危ぶまれるフューチャーズと、現状厳しいとはいってもグループの収益の柱であるSBIキャピタルやSBI証券、まだ立ち上げたばかりで累損ですが順調に収益を伸ばしている住信SBIネット銀行などの事業群を内包しているSBIとではどちらが内在価値があるかは明らかだと思います。
とはいえ、フューチャーズ上場後の株価推移は悲惨なものがありますから、
ここでもっと低いプレミアムで完全子会社化していたとしたら少数株主保護の観点から問題ありとも言えます。
それに上でも書きましたけれど、このまま放置すればフューチャーズの株式が紙くずになる恐れがあるのであれば、完全子会社化して実質廃業というのはSBI本体にとってもフューチャーズ株主にとっても恐らく最善なのでしょう。(不幸中の幸いというか、今回はSBI株式の価値が希薄化するにしてもごくわずかで済みます)
余談ですけれど、フューチャーズを2万円割れで買って今も持っている人は美味しいですねえ。
何しろ、底値の15,000円付近で買っていたとしたら、
SBI株を約5000円で手に入れられる訳ですから!
※以上は全て僕個人の私見を独断と偏見で述べたものです。
この記述に基づく投資行動で損失を被ったとしても、当方は一切の責任を持ちません。
投資の判断は全て各自が自己責任で行なって下さい。