ゴールデンウィークもあっという間に終わり、気がつけば5月ももうすぐ終わりです。
新年度になって職場の人事異動で自分の部署も大きく人が動き、慌ただしい日々を送っています。
4月で僕もとうとう30歳になり、あまり公私共にのほほんとはしていられないなという周囲の空気を感じています。
4月の読書メーター
読んだ本の数:25冊
読んだページ数:7032ページ
ナイス数:515ナイス
さて、4月の読書を振り返ると前半は快調でしたが後半ペースは失速した感があります。
小説やライトノベルはさくさく読めるんですが、専門書、それも自分の未知の分野になるとさすがにまだスラスラとは読めないですね・・・。
でも今コンピュータやプログラミング関連は興味のある分野なので、ボチボチ読んで勉強していこうと思います。
今年の読書メーター新年オフ会の席でお会いした方から熱烈に布教お薦めされて読み始めた「流血女神伝」シリーズですが、4月まででシリーズ全27冊、読み終えました。コバルト文庫というレーベルから出たとは思えない、政治・宗教色の色濃く表れた、何とも壮大で骨太な少女小説でした。
暗き神の鎖(前編) 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)正式に王と正妃となっても相変わらずなバルアンとカリエですね。女のカリエを聖なる山の頂上まで登らせたかと思えば首都から離れたヨギナの総督を任せるとか。ルトヴィアの方はいよいよドロドロしてきた感があって、読むのが辛い。人は変わるんだよな…。カリエは見事男児を出産するけれど、遂に伸びてくるザカールの魔の手が恐ろし過ぎる。ラクリゼがすっかり噛ませ…だと…?
読了日:04月01日 著者:
須賀 しのぶ 暗き神の鎖(中編) 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)エティカヤの第一王子を出産し、幸せの絶頂にあるべきカリエだが、彼女と王子アフレイムを狙うザカールの長老リウジールの影に怯えながら不安な日々を過ごす。エドが久しぶりによく喋っていて、しかもカッコいい!あの大胆不敵なバルアンが、リウジールにいいようにされるのがちょっとショック。けれどなんと言っても、アフレイムを救うためラクリゼと二人、ザカールの村に向かったカリエを待ち受ける残酷な展開が・・・思わずページをめくる手が震えてしまった。一体どうなるの、後編?!
読了日:04月01日 著者:
須賀 しのぶ 暗き神の鎖(後編) 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)ラクリゼの無事にはほっとしたけどカリエへの責め苦が重かった…。よく心が完全に壊れなかった、その強さには感心するしかない。ザカールの崩壊はあっけなかったけれど、リウジールもまた女神の犠牲者であり、苦悩を抱えながら生きていたということか。バルアンはどうにかカリエを許すことはできなかったのか…。せめてカリエがエティカヤに戻ることを受け入れていれば…いや、それもお腹の子を考えると無理だよなあ・・・。ザカールの民との契約が反故になり、女神の娘にこんなにも残酷な選択肢を与えて、女神は人間に一体何をさせようと言うのか?
読了日:04月01日 著者:
須賀 しのぶ エンジニアとしての生き方 IT技術者たちよ、世界へ出よう! (インプレス選書)著者のブログを元に再構成したエッセイ。日本のIT業界のITゼネコンの問題点を挙げ、会社に依存するのではなく自身の能力を頼られるITエンジニアとして生き残っていくためにすべきことを説いている。英語を勉強してグローバルにコミュニケーションができるようにすること、新技術に常に敏感になり、柔軟さと適応性をつけていくことはIT業界以外にも当てはまることだと思う。著者が入社試験で用意した思考力とより簡潔な解法を探る姿勢を試される問題は解けなくて悔しかった…再挑戦したい。
読了日:04月02日 著者:
中島 聡 ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきことレバレッジシリーズの著者による、タイトルそのままノマドライフのすすめ。本書で述べているのは単なる効率化やライフハックではなくライフスタイル全般のあり方。ウェブや書籍で色々ノマドな生き方については読んできたけど、納得できる面もある反面、農業、製造業や小売業など既存の産業に関わる大多数の人はこの生き方は無理だよなという思いが胸を離れない。こういう本の内容は、いわゆる知識労働者向けだというのはわかっているんですが、上記の人達がいなければこの本の対象者だって食えないわけで何だかなあと。いや、内容は悪くないですよ。
読了日:04月03日 著者:
本田直之 流血女神伝 喪の女王 (1) (コバルト文庫)今年90冊目読了。これまで読んで来た流血女神伝シリーズもいよいよ最終章。舞台はテナリシカ半島最後の大国ユリ・スカナ王国。エドもサルベーンもラクリゼも、ザカールでの大怪我は相当身体に堪えたようで、満足に動けないエドがみていて辛そう。バルアンはカリエがザカールへ向かった理由を理解してもなお殺そうとするのが恐ろしい。「彼女は悪くない。だから殺す」とどこかの「枯れた樹海」の方のようなことを言ったかは定かではない…。イーダルは相変わらずいいキャラしてるな。どこまでが道化でどこからが本音なのか掴めない。
読了日:04月04日 著者:
須賀 しのぶ 流血女神伝 喪の女王 2 (コバルト文庫)カリエが胎内に宿していたリウジールの子は千人目のクナムとなる男児のはずが、生まれてきたのはなんと女の子。ラクリゼのことといい、女神とザカールの民の契約といい、次々と破られるいにしえからの伝承が意味するものは一体?女児の名前のエピソードは面白い。グラーシカはつくづく報われない。ネフィシカは何やらきな臭いと思っていたら、婚礼の場でまさかの爆弾発言。ドロドロの王位継承問題、怖いなあ・・・。次の巻が気になって仕方ない最高の引きですわ。
読了日:04月05日 著者:
須賀 しのぶ 流血女神伝 喪の女王 3 (コバルト文庫)バンディーカ女王の回想など。王家の血筋でもない彼女が女王の座についたくらいなので、もっとなりふり構わない手段を使う血も涙もない人物なのかと思ったら意外と内面は傷つきやすく寂しさに耐えてきた女性だった。カリエは表紙の通り、セーディラと共に修道院に身を隠すことに。流血女神の意志に翻弄され、また多くの国と宗教に触れてきた彼女が、神と人が共存するというカーテ神教に惹かれるのはわかる気がする。しかしタイトルの喪の女王にもう一つの意味があったとは。
読了日:04月07日 著者:
須賀 しのぶ 喪の女王 4 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)偉大なる女王バンディーカ、意外とあっさり逝ってしまった・・・。彼女の娘・息子たちが一人もその死を悲しんでいないというのはやり切れないものがあるな。特にイーダルの、これまで見せて来なかった内面はまるで別人のようで恐ろしい。あんたカリエに対してもそんな風に思ってたんですか・・・。そしてやはりというべきか、カリエに伸びるザカールの手。サルベーンに裏切られたのはカリエとしてはショックだろうなあ・・・。ユリ・スカナ編も折り返しだけれど、一体どういう風に収まるのか。
読了日:04月07日 著者:
須賀 しのぶ コンピュータはなぜ動くのか〜知っておきたいハードウエア&ソフトウエアの基礎知識〜前に読んだ「プログラムはなぜ動くのか」の姉妹本。コンピュータのハード的な部分を詳しく解説しているのかと思ったら、その部分は意外と少なかった。でもそれに相当する1章から3章までの部分だけでも勉強になった。後半はプログラムやアルゴリズム、データ構造、オブジェクト指向、データベース、TCP/IP、暗号化とコンピュータの動作の基本の基本やネットワーク上で通信する仕組みを広く浅く解説している。読みやすい本だったけれど、多少物足りなさも感じたのでハードウェアについてはもう少し突っ込んで勉強してみたい。
読了日:04月08日 著者:
矢沢 久雄,日経ソフトウエア 喪の女王 5 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)相変わらずカリエの順応力には恐れ入る。密約に政略結婚と策謀が吹き荒れる巻ですな。そしていよいよルトヴィアはやばいことに・・・。「帝国の娘」の頃と比べると、万事が裏目にでて理想も砕け、憔悴し切ったドーンの姿があまりにもやるせない。サルベーンとエディアルドの激突も出会った頃からの変遷を顧みると感慨深い。サルベーンは結局変われなかったのか・・・と思うと切ない。
読了日:04月09日 著者:
須賀 しのぶ 天気晴朗なれど波高し。 (コバルト文庫)流血女神伝シリーズの番外編。「喪の女王」がクライマックスに差し掛かる前に箸休めということで。若かりし頃のランゾット・ギアスとトルヴァン・コーア(後のトルハーン)の友情物語。外見も体質もおよそ海軍に似つかわしくない小説家志望のランゾットがなぜ海軍に残り、後には提督にまでなったのか。コーアと同じ艦に士官候補として乗ったのが数奇な運命のめぐり合わせだなあ。初航海で大変な目に遭ったのに、晴れ晴れとしてるランゾットが印象的だった。
読了日:04月11日 著者:
須賀 しのぶ 天気晴朗なれど波高し。 2 (コバルト文庫)若かりし日のランゾット・ギアスとトルヴァン・コーアが主役の、流血女神伝シリーズ番外編2巻。晴れて海軍士官になったランゾットが陸で出会った娼婦のオランディア。訳ありな彼女に同情と好意を抱きながらも手を出さないランゾットの朴念仁さがベタですが、事情をこっそり調べつつ彼女を休めさせるために店に通って眠るあたりは心憎い。海の神の申し子と謳われる普段は陽気なコーアの、人よりも多くの死線をくぐって生き延びて来たが故の暗い部分を垣間見た。この二人が運命の変転を味わうことになる例の事件もみたかったが、そこは仕方ないか。
読了日:04月11日 著者:
須賀 しのぶ コンピュータのしくみを理解するための10章ただでさえ専門書で難しめの上、読んでいる間風邪気味ということもありなかなか進まなかった…(>_<)この間読んだ「コンピュータはなぜ動くのか」と同様、ハードウェアからソフトウェアまでコンピュータの動く仕組みを解説している。論理回路や機械語、アセンブリ言語に関しては本書の方が詳しく、難しいながらも丁寧な解説だった。しかし究極的には0と1の組み合わせだけで現代のPCやスマートフォン、タブレットと全ての電子機器の複雑な機能が制御されているとは、その仕組みの基本を学ぶ程先人達の叡智に畏敬の念を抱かずにはいられない。
読了日:04月15日 著者:
馬場 敬信 喪の女王 6 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)カリエ、セーディラ、グラーシカ、フィンル・・・彼女、彼らの立場を徹底的に政治に利用しようとする周囲の思惑が生々しい。襲われて生死の境を彷徨うドーンの枕元には流血女神の影が・・・。より緊迫化する政局の一方、エティアルド、ラクリゼ、カリエの各々に訪れた心境の変化がわずかながら心安らぐ。カリエのどんな国・宗教・文化にもはじめは嫌悪をみせても最終的には理解し共存しようとする性質は、混迷を増す人間達の争いにとっての光となるのか?
読了日:04月16日 著者:
須賀 しのぶ 僕がアップルで学んだこと 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる (アスキー新書)今年100冊目。今や時価総額世界一の企業にまでなったアップル。「スティーブ・ジョブズ論」みたいな本は山ほど出回っている中、同社に1992年から2009年まで働いていた日本人著者による貴重な「中の人」目線でのアップルの組織づくりや働き方論。著者自ら、日本だと「ブラック企業」とレッテルを貼られるだろうという同社の内部は苛烈な長時間労働、社内政治が渦巻く、「楽園」とは言い難い職場環境。けれど、個人に責任が与えられているシンプルな組織階層は、世の中を変えたいと思う人にとっては最高の環境である。読みやすい良書。
読了日:04月16日 著者:
松井博 喪の女王 7 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)かつてひどい目に遭わされたザカールの民と交流し、女神の娘としてではなく人と人として解り合おうとするカリエ。結局は裏切らざるを得ないとわかっていても、その交流のひとときは本心からのものなんだ。一旦は傷つけられても、カリエを赦し脱出に協力してくれたリネたち。彼女達との想い出は双方にとってかけがえのないものになったはず。幼いアフレイムとフィンルの出会いも、王子と人質という関係ではあるが、その先を想像すると楽しい。ルトヴィアはいよいよ切羽詰まってきた。決意とともにドーンの元に還ったグラーシカは誇り高く美しい。
読了日:04月18日 著者:
須賀 しのぶ 喪の女王 8 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)流血女神伝シリーズも、いよいよ最終巻。国家間の戦争が勃発し、スケールが大きくなっていて、カリエ達の扱いは小さめ。滅びゆく大国の皇帝ドーンと皇后グラーシカは、最後の最後で心から結ばれたというのが切ない。多くの人が亡くなり、終焉を迎える戦場で人々が目にしたものとは…。女神に関する謎について最後の方で明かされていたけれど、あんなあっさりでいいの?と少し肩透かし感が。ただ神とは人間によって様々に解釈が為され、怖れられたり力を与えたり奪ったりするが、最終的に行動し歴史を形作っていくのはやはり人間自身なのだな。
読了日:04月18日 著者:
須賀 しのぶ たった一度の人生を記録しなさい 自分を整理・再発見するライフログ入門何でも記録できるアプリ、Evernoteを使って自分の生活の記録=ライフログを残しましょう、という話。著者は自分の食べたものやレシートなどを写真で保存しているとのこと。そもそもライフログを残すのは何のため?という部分の説明が弱いような。スマートフォンやクラウドの登場によって手帳やデジカメよりもライフログをつける敷居が下がったというのはよくわかる。あまり整理にはこだわらずとにかく記録することを優先するというのも。自分はfoursquareとの連携で行った場所のログを記録するようにしています。
読了日:04月19日 著者:
五藤隆介 小飼弾のアルファギークに逢ってきた (WEB+DB PRESS plusシリーズ)自身もプロプログラマーである小飼弾さんが、国内外問わずトップレベルのウェブ技術者=アルファギークにインタビューした連載をまとめたもの。アルファギークと一口に言っても、様々な考え方の人がいて、実に面白い。Twitterの創業者Evan WilliamsやPerlの開発者Larry Wall、はてなの近藤さん夫妻など。Ruby開発者のまつもとゆきひろさんとの対談も載っていればもっとよかったのだけど、残念。
読了日:04月22日 著者:
小飼 弾 安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書世界的な建築家・安藤忠雄さんのエッセイ。日本の若者に対し厳しい言葉で叱咤しているが、それも彼自身が独学で建築を学び、何も依るところがない状態から仕事を創り出してきた経験がある故。建築学部の学生が4年かけて学ぶ本を働きながら1年で読破したり、尊敬するコルビュジェの著書を古本屋で見つけて他人に買われないように何度も見つかりにくい場所に隠してようやく買ったという有名なエピソードは極端だけど凄まじい執念を感じる。けれど今時の若者は…なんて言い草はやはり悔しい。年寄りにそんなこと言わせないよう頑張らないとな…!
読了日:04月22日 著者:
安藤 忠雄 ボトルネック (新潮文庫)人間って何て残酷なことを考えるのだろう。この世界でありとあらゆる苦痛を味わうよりも、自分が生まれて来なかったという世界で、自分のいた世界では生まれなかった姉が存在し、自分がいた世界よりも周りの人々が幸せに暮らしているのを見せつけられて、自分の生まれてきたこと自体を否定されることの方がよほど絶望させられるかも知れない。自分が主人公だったなら、あのラストの後、どうするだろうか・・・。
読了日:04月24日 著者:
米澤 穂信 氷菓 (角川文庫)ちょうど4月からアニメ化されているので読んでみた。米澤穂信のデビュー作。学園の日常系ミステリー。主人公のホータローはラノベでよくありそうな(あくまで印象です)省エネタイプの高校生。モノローグが痛々しい彼が、同じ古典部の千反田えるの過去の記憶を呼び覚ます手伝いをする中で少しだけ変わっていく。氷菓というタイトルが気になっていたけれど、そんな意味があったとは。
読了日:04月26日 著者:
米澤 穂信 初めての人のためのLISP[増補改訂版]「ハッカーと画家」のポール・グレアムがお気に入りのプログラミング言語ということでLispとはどんなものなのか気になり、日本人有数のLispハッカーの竹内郁雄さんの著書を読んでみた。感想は、うーん・・・。序盤はまだよかったけれど中盤以降さっぱりわからなかった。柔軟な言語だというのは何となく伝わってきた。この本を読む前はLispは括弧がやたら多いという印象があったが、読んでみるとそういう見た目よりもリストやデータ構造の取扱い方こそが特徴的だと感じた。
読了日:04月28日 著者:
竹内 郁雄 いま、会いにゆきます (小学館文庫)この本で読書メーター500冊達成。大学時代に映画を観て原作も読み、お気に入りだった懐かしい作品。改めて文庫で読んだけれど、また最後の方でウルッと来てしまった。やさしい文体で巧・裕司親子と澪の3人家族の哀しい別れと奇跡の再会、そして限りある時間を過ごす彼らの生活が綴られる。この家族の心の絆を深めた奇跡の謎解きは何度読んでも不思議な気分にさせられるが、それが決して不快ではない。文庫には本作品の映画プロデューサーの解説が挿入されており、映画が原作からアレンジを加えながらも良作であるのに得心がいった。
読了日:04月29日 著者:
市川 拓司2012年4月の読書メーターまとめ詳細読書メーター