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  • 2015.08.31 Monday
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2012年8月の読書まとめ

8月の読書メーター
読んだ本の数:31冊
読んだページ数:9529ページ
ナイス数:3455ナイス

8月は実家に帰省したりでゆっくり読書をできる時間が思ったほどなく、6月頃から挑戦している1日1冊達成は厳しいと思っていましたが、何とか最終日に追い込んで1日”平均”1冊は達成できました(先月1冊も読めなかった日は8日あり)。

7月は読んだ本の数こそ多かったものの、毎日1冊読了達成にこだわるあまり、薄めの本を中心に読むなどけっこう無理をしていた感がありました。これまで読後の感想も欠かさず続けていたのが20冊以上感想を書けないまま放置してしまってますし・・・(汗)

8月は冊数こそ減りましたが、読んだページ数は7月を上回り、感想も全て書くことができ、読書の質としては前月を上回れたかなと。

読んだ本としては直木賞を受賞したばかりの辻村深月さんの単行本、ロングセラーの戦争小説「永遠の0」、先日第3巻が発売されたばかりのベストセラー「神様のカルテ2」、昨年の本屋大賞受賞作「舟を編む」など人気作品を中心に。

そうそう、新潮文庫から復刻・10年以上ぶり?の新作刊行も予定されている十二国記シリーズも忘れちゃいけませんね。山田章博さんのイラストもホワイトハート版に勝るとも劣らないかっこ良さとなっており、久しぶりの十二国記世界を堪能しました。

またミステリー、主に叙述トリック物にもボチボチ手を出してみたりしています。「彼女は存在しない」は名作とはとても呼べないチープさが漂う文章ですし、万人にはお薦めできませんが、個人的には非常に強烈な印象を受けた作品。

サクラ咲く (BOOK WITH YOU)サクラ咲く (BOOK WITH YOU)
中学生以上向けのノベルということで辻村さんお得意のドロドロ感は薄いし、あっと驚くようなどんでん返しはないけれど、友人関係で悩んだり、わかり合えてじんわりと暖かくなったりする10代の揺れ動く心情はさすがだった。三話の短編がリンクしている構成だけど、どれも爽やかな終わり方でよかった。たまにはこんなきれいすぎて物足りないくらいの辻村作品があってもいいと思うんだ。
読了日:08月01日 著者:辻村 深月

彼女は存在しない (幻冬舎文庫)彼女は存在しない (幻冬舎文庫)
多重人格モノということで注意して読んでいたのに、気づいたと思った謎(というかトリック?)は半分だけで、肝心のもう半分には種明かしされるまで気づけなかった…。主要登場人物がみなどこか歪んでいて、なぜこんなにも道を踏み外してしまったのだと切なくなる。大筋は面白く読めたのだけど、後半のグロ描写にはちょっとひいてしまった。物語の雰囲気に合わないというか、そこだけ無理して盛り上げようとしたような感がある。
読了日:08月03日 著者:浦賀 和宏

神様のカルテ 2神様のカルテ 2
オフ会でお借りした本。人並みの休暇も、満足に眠ることも犠牲にして地域医療を支える本庄病院の医師・看護師達。あって当然だと傲慢に思っている医療サービスが、本書で描かれるような犠牲の上に成り立っているかも知れないことに、我々病院利用者はどれだけ気づいているだろうか?スーパー外科医や一発逆転の秘策なんて出てこない本作だからこそ、余計にその事を考えさせられる。互いの信念をぶつけ合い、医師として、いや人間としてどうあるべきかを行動で示していこうとする栗原一止や進藤達のこれからに幸あらんことを。
読了日:08月04日 著者:夏川 草介

水底フェスタ水底フェスタ
山間の村の村長の息子・広海と、夏フェス開催中に戻ってきた、かつて村を飛び出した女優・由貴美。村に復讐するといい、少年に近づく彼女の本当の狙いとは…。何も知らされていなかったことに気づいた時の自分の世界の狭さや幼さ。たとえ村を飛び出しても村の呪縛からは抜けられない絶望感。閉鎖的な村の隠蔽体質や大人達の何もかもわかっている的な態度が気持ち悪くゾッとする。最後まで明確な救いがないのは「鍵のない夢を見る」といいこれまでとは異なる作風を模索しているのかなと感じた。
読了日:08月05日 著者:辻村 深月

草枕 (小学館文庫)草枕 (小学館文庫)
それほど厚くはない本なのに、読むのは思いの外時間がかかった。漢文を使いこなす漱石の難解な語彙の数々。けれどリズミカルな文章は読んでいるだけでどこか別世界のような心地もした。「神様のカルテ」の夏川草介さんによる解説が秀逸。筋ではなく文章そのものを楽しむのだというのは納得。時間をおいてまた読んでみたい作品。
読了日:08月06日 著者:夏目 漱石

ツナグツナグ
一度だけ、死者と会えるとしたら誰に会いたいかな。読み終わってから考えた。けれどこういう機会って本当の気持ちを伝えるのって生前と同様に難しくて、意外と他愛もない話をして終わってしまうんだろうな…。「親友の心得」は5つの短編中でも一番痛い。親友の生前にやってしまったことで後悔して、死後もう一度きりのチャンスでも伝えられず、お互いに傷つけあう結果になって…。他の短編がいい話だっただけに余計に辛く感じてしまった。この本で読書メーターに登録した本が600冊目。次の700冊、そして1000冊目はどんな本を読むのかな?
読了日:08月08日 著者:辻村 深月

ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)
自分がビジネス書について抱いているモヤモヤ感をズバリ代弁してくれたような本。ゼロ年代に入ってからのビジネス書のトレンド、ビジネスとしてのビジネス書、ビジネス書に振り回される人々といった観点から、痛烈に切っている。粗製濫造される二番煎じ、三番煎じのような薄い内容のビジネス書にどこか気持ちの悪さを感じているのは自分だけじゃないんだと安心した。それでもお手軽に読めるのでつい手にとってしまうことが多いのですが…(;´Д`A 結論はごく当たり前のことだけど、適度な距離を保ってつき合うべきだなと。
読了日:08月09日 著者:漆原 直行

きみが見つける物語    十代のための新名作 恋愛編 (角川文庫)きみが見つける物語 十代のための新名作 恋愛編 (角川文庫)
恋愛をテーマにしたアンソロジー。梨屋アリエさんは初めて読んだけど、独特な文章で面白い。乙一の「しあわせは子猫のかたち」は死んだ女性の残留思念と心通わせる青年の話で、やさしくも切ない。山田悠介の「黄泉の階段」は読んだばかりの辻村深月「ツナグ」と重なったけれど、死んだ彼女に会おうとする彼に課される何十もの質問に答えるシーンではドキドキした。果たして自分が恋人に関する質問にそれだけ答えられるだろうか。植物図鑑は既読。「小さな故意の物語」は謎解きの最後の1ピースの裏にある人間くさい利己的な感情が何ともやるせない。
読了日:08月10日 著者:

小倉昌男 経営学小倉昌男 経営学
数年前に図書館で借りて読んだ本書、購入して再読。宅急便という今や生活インフラにすらなったヤマト運輸のサービスだが、事業立ち上げ当初は絶対に成功しないだろうと言われていた。著者である故・小倉昌男氏が自社の陥った厳しい経営状況に際してどのように商業貨物から個人宅配への活路を見出し、小売業のコンビニのようにそれまで存在しなかった全く新しい業態を創りあげていったのかを綴っている。最近の読みやすいが歯ごたえの少ないビジネス書に慣れていると読むのに時間はかかるが、紛れもなく良書。
読了日:08月11日 著者:小倉 昌男

西の魔女が死んだ (新潮文庫)西の魔女が死んだ (新潮文庫)
学校にいけなくなり"西の魔女"のおばあちゃんの家でしばらく暮らすことになった、まい。おばあちゃんの言う「魔女の修業」で少しずつ生きる力を取り戻していく。緑に囲まれながら、一つ一つのことを丁寧にこなしていく穏やかな生活の描写が読んでいてささくれ立った心に沁み入る。生きていると理不尽なことには何度も出くわすけれど、感情の赴くままにしては身を滅ぼすだけ。外部の刺激に振り回されない心の鍛錬は生きづらさを抱えた感受性の強いまいのような思春期の少女には必要なことかも知れない。優しさと多くの示唆に富んだ作品。
読了日:08月12日 著者:梨木 香歩

MOMENT (集英社文庫)MOMENT (集英社文庫)
最近この作者の「WILL」をよく書店で見かけるので、まずはその前作だという本書から読んでみた。大学生の神田が掃除のアルバイトをしている病院で囁かれる、死ぬ間際の人の願いを1つだけ叶えてくれるという噂話。死の前に人が願うことは様々だけど、その願いに込められるのはきれいな感情だけではない。妄念に取り憑かれたり、もっと生きられないことへの憤りだったり、死を前にして気づいた孤独感だったり・・・。何ともやり切れない思いで読み終えた。神田のとぼけた語りが負に傾きがちな話を少し中和してくれている。
読了日:08月12日 著者:本多 孝好

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(下) (文庫ダ・ヴィンチ)あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(下) (文庫ダ・ヴィンチ)
上巻が出てから約1年、自分が読んでからは5ヶ月。ようやく出た下巻、さっそく購入。上巻はややダラダラした印象だったけど、下巻は超平和バスターズのメンバーがめんまの願いを叶えるために行動を起こしテンポ良く進む。各々がめんまや他のメンバーに対する思いを溜め込んでいていたが、それを吐き出せたことでわだかまりがなくなり、じんたん以外には姿の見えないめんまともう一度幸せな時間を過ごす。それが本当の別れまでの、わずかなひとときだとわかっていても…。タイトルの意味は最後のシーンにかかっているのかな?
読了日:08月13日 著者:岡田麿里

きみが見つける物語    十代のための新名作 放課後編 (角川文庫)きみが見つける物語 十代のための新名作 放課後編 (角川文庫)
タイトルの「放課後編」には正直?だったけれど、面白い話が多かった。星新一は久しぶりに読んだけれど、相変わらずのブラックユーモアの切れ味。「西一番街テイクアウト」は池袋ウエストゲートパークシリーズ。本好きの少女とその母親を助けるために、ヤクザに対して行動を起こすマコト達。正義とか悪じゃなく、一組の母子の自由のためってところがカッコいい。「雛の花」は祖母の粋な生き様に惚れる。「サボテンの花」は教頭先生と小学6年生のクラスの卒業研究を巡る話。痛快なオチがよく、もっとも「放課後編」らしい作品。
読了日:08月14日 著者:

大きな森の小さな密室 (創元推理文庫)大きな森の小さな密室 (創元推理文庫)
本屋のPOPに興味をそそられて買ったのですが、正直そんなに・・・という印象でした。密室トリックなのに密室そのものには頓着しない、アリバイ崩しなのに容疑者のアリバイには徹底して構わない、と人を食ったような作品ばかり。「更新世の殺人」や「正直者の逆説」は探偵役のキャラとイライラさせられる会話が好きになれず・・・。「遺体の代弁者」「路上に放置されたパン屑の研究」はキャラは好きにはなれないが、アイデアが面白かった。
読了日:08月15日 著者:小林 泰三

夜のピクニック (新潮文庫)夜のピクニック (新潮文庫)
「みんなで、夜歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう」文中でもこう書かれているように、最初から最後までひたすら歩行祭という全校行事の中で高校生達が歩き続けるだけ。けれどその過酷で単純な行進の中で、彼女達、彼等は思い、悩み、語らい、変わっていく。解説にあるように、ロングウォークなど経験ないのに、まるで過去に経験したかのような懐かしさがある。
読了日:08月17日 著者:恩田 陸

月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)
学生時代にハマった懐かしい作品。新潮文庫で復刻したので再読。ごく普通の女子高生だった陽子が得体の知れないケイキという男にわけもわからないまま連れて行かれ、化物に追われて放り出された先は右も左もわからない異世界。会う人会う人に騙され裏切られ、妖魔に襲われながら気弱だった陽子が生き延びるために変わっていく様は何度みても胸につまされる。絶望に呑まれ、底の見えない昏い海に沈んでいくかのような上巻。
読了日:08月18日 著者:小野 不由美

月の影 影の海(下) 十二国記 (新潮文庫)月の影 影の海(下) 十二国記 (新潮文庫)
飢え、傷つき倒れた陽子を救ったのは半獣の楽俊。親切にされても今まで裏切られ続けたせいで彼を信用できない陽子。下巻の見所はやはり傷ついた楽俊を一度置き去りにした彼女が再び助けに戻ろうと葛藤するシーン。文字通り死ぬほどの辛い目に遭って来ても、人間としての最後の尊厳までは失わなかった陽子は凄い。後半の急転直下の展開はちょっと出来過ぎな気もしなくもないが、そもそも景麒が最初にもう少し説明していればこんなことにはならなかったよなあ。というわけで二人の再会の場面では景麒もっと神妙にしろと思いました。
読了日:08月18日 著者:小野 不由美

永遠の0 (講談社文庫)永遠の0 (講談社文庫)
久しぶりに泣きそうになった。終戦直前に零戦での特攻で戦死した実の祖父・宮部久蔵の謎に包まれた人物像を、姉弟が当時の彼を知る人達へのインタビューで解き明かしていくという筋立て。臆病者とも揶揄されていた宮部に対する関係者の様々な見方。必ず生き延びるという執念、その為に磨いた類稀な操縦技術や部下の生命への配慮、人命軽視の海軍上層部への怒りなど、徐々に浮かび上がる宮部の生き様に胸を打たれる。特攻隊員達が何を思い尊い生命を散らして行ったのか。その犠牲の後に生きる自分達はせめてその真実の思いを知らないといけない。
読了日:08月19日 著者:百田 尚樹

広島ルール広島ルール
広島県民、あるいは広島出身者なら必ず何箇所も「あるある!」と頷ける箇所がある。「サッサッサッサッサッとかき混ぜまして♪」や「お母さん!間違えんさんな!ますやみそよ〜!」「ぜひ!一度!お越しください!」「千福一杯いかがです♪」「ラララ〜福屋♪」などの懐かしいCMフレーズがツボすぎる。昔近所にあった遊園地「広島ナタリー」や今や全国区のチチヤスヨーグルトにも触れていて地元愛がくすぐられる。広島を飛び出してもうずい分経つけれど、やはり自分は広島人なのだということを再認識できる一冊。
読了日:08月20日 著者:都会生活研究プロジェクト[広島チーム]

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
「・・・は?」「あ〜!そういうことか!!やられた〜・・・」となって、まんまと騙されていたことに驚き、その後で妙に脱力してしまう、そんな秀逸なトリック。思い込みって怖いなあ。そりゃ騙されるよ。見事などんでん返し。抽象的な感想ばかり書いている気がするけれど、これ以上はネタバレになるので。政虎のとぼけたキャラは読んでいて楽しかった。
読了日:08月23日 著者:歌野 晶午

オーデュボンの祈り (新潮文庫)オーデュボンの祈り (新潮文庫)
伊坂幸太郎さんのデビュー作とのことで。「夜の国のクーパー」を先に読んだ時に似ているという感想をちらほら見かけたけれど、なるほど少し雰囲気は似ている、しゃべる案山子というのも現実ではあり得ないが、荻島という場所自体が現実感を欠いていて、文章全体が独特の空気感を持っている。一体どう話が収束するのかと思っていたら、後半の伏線回収はお見事。ただ、伊藤の推理がやや唐突に感じたきらいはあるかな…。城山についてはどうなることかと思っていたが、痛快なオチに一安心。『お前には死すら生ぬるい。』
読了日:08月25日 著者:伊坂 幸太郎

きみが見つける物語 十代のための新名作 休日編 (角川文庫 あ 100-103)きみが見つける物語 十代のための新名作 休日編 (角川文庫 あ 100-103)
前に読んだ同シリーズの放課後編と違い、こちらはちゃんと(笑)休日をテーマにしたアンソロジー。米澤穂信の「シャルロットだけはぼくのもの」はこんな何でもない日常を面白おかしいミステリに仕立てていてとてもいい。「ローマ風の休日」は「ホルモー」シリーズ未読だが、楠木さんがいいキャラだ。「秋の牢獄」はこの間読んだ「リピート」や「四畳半神話大系」に似たタイムスリップ物。秋の物哀しさを感じさせる作品だが、肉塊のくだりにはヒキました。「春のあなぽこ」「夏の出口」は十代前半、後半の少女達の揺れ動く心理をうまく描いている。
読了日:08月25日 著者:角川文庫編集部

遠くでずっとそばにいる (幻冬舎文庫)遠くでずっとそばにいる (幻冬舎文庫)
ジャケ買い。事故で10年分の記憶を失った女性が、自分の記憶を辿ろうとするうちに知っていく自分の孤独な人物像と事故の真相。記憶を失った状態で実際の自分がどんな人間だったか知るというのは使い古されたネタだが、実は自分はとんでもない人間でした、という安易なオチでは終わらない。記憶を失くしても大切だったものを再び見つけ出して、でもそれがすでに取り返しがつかないと思い知らされるのは何かの罰なのか。いや、意味なんて多分ない。憶えていない自分の所行が招いたことで傷ついても、受け入れて生きていくしかないんだから。
読了日:08月25日 著者:狗飼 恭子

サーバがわかる本 (なるほどナットク!)サーバがわかる本 (なるほどナットク!)
タイトルの通り、サーバについての知識がひと通り、広く浅く得られる本。実務者には物足りないだろうが、初心者にはこれでもけっこう一杯一杯w 用途別にどのようなサーバがあり、どのようにしてローカルネットワークやインターネットにつながっているかのごくごく初歩についてはわかった。個人でサーバを立てたり実務に役立てたいなら他のより詳しい本を参照する必要はあると思う。
読了日:08月26日 著者:小関 裕明

舟を編む舟を編む
本屋大賞をとったり、読書メーターでも人気の作品なので逆に読むのを躊躇っていたが、結局手を出してしまった。ライトな文章でさらさら読めたが、なるほどこれは面白い。辞書編纂という地味〜な仕事に情熱を見出した人達、初めは興味がなかったものの彼らの熱に絆されてのめり込んでいく人達。時代と共に変化し続ける果てしなき言葉の大海に、一筋の航路を示そうとする事業は、目先の儲けに結びつかないからといって途絶えさせてはならないんじゃないかと感じた。欲を言えば260ページ足らずの文量は少し物足りなかったかな。
読了日:08月26日 著者:三浦 しをん

おいしいコーヒーのいれ方 (3) 彼女の朝 (集英社文庫)おいしいコーヒーのいれ方 (3) 彼女の朝 (集英社文庫)
勝利とかれん、つき合っているのにそれを周囲にばらせない。従ってなかなか二人きりにもなれず、二人の仲を知らない人達から余計な口出し・手出しをされてヤキモキ。なんとも焦れったい状況でも、たまにつくれる二人きりの時間はご馳走様でした!な甘ったるさ。今どきこんなウブな女性いないだろ!(←偏見)まあそれはおいても、鴨川で貴重な一晩を過ごせたのは、勝利だけでなくかれんなりに相手を想って勇気を出した成果なんだなと思うと微笑ましい。しかし進展したようであまりしていない二人の関係。次巻ではどうなるんでしょうか。
読了日:08月28日 著者:村山 由佳

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)
実は読んでいる途中でネタバレっぽい感想を読んでしまい、そういうこと?と疑いながら読み進めた。しかし。それにも関わらず最後のオチはまんまと引っかかってしまった。なるほど道理であの人達の行動は…。どんでん返しがページ数も絶妙なタイミングじゃなかろうか。説明不足にならないギリギリまでひきつけることで読者を油断させ急転直下。お見事です。
読了日:08月28日 著者:東野 圭吾

向日葵の迷路 (幻冬舎文庫)向日葵の迷路 (幻冬舎文庫)
6年ぶりに読んだ浅倉卓弥さんの作品。以前読んだ作品と同様、光の描写が印象的な濃密な文体。一人称で語られ何が起こるのかわからない不安感と、時間の感覚や生死の境が曖昧な空気が漂う短編集。不条理にやりきれない読後感がある「夕立のあと」が印象は最も強烈だけど、表題作「向日葵の迷路」や「ビザール・ラヴ・トライアングル」もいい。最近の浅倉作品も読んでみたくなった。
読了日:08月29日 著者:浅倉 卓弥

「持たない!」生き方 シンプルで自由な人生のすすめ (だいわ文庫)「持たない!」生き方 シンプルで自由な人生のすすめ (だいわ文庫)
最近「シンプルな生き方」を説く本は何冊か読んでいるけれど、本書はどちらかというと定年前後を迎えた壮年世代の人向けの内容だった。人生の残りをいかに生きるべきか。余分なものを持たず、過去のしがらみを捨て、こだわりを捨て、新しいことにも挑戦しながら生きていく。そのためには定年を迎える前から意識した働き方や心がまえも必要になってくると感じた。また最後は誰もが必ずひとりになる、と突き放すようなことも書かれているが、これは女性よりも男性の方が配偶者を失った時のストレスが高いというデータから、覚悟している必要がある。
読了日:08月30日 著者:米山 公啓

小さくてもいちばんの会社 日本人のモノサシを変える64社小さくてもいちばんの会社 日本人のモノサシを変える64社
ベストセラー「日本でいちばん大切にしたい会社」の坂本光司教授と研究室の社会人ゼミ生が、業績や財務体質といった従来の指標の他に「いちばん」と呼べるような取り組みを行っている中小企業64社を紹介する本。「日本でいちばん〜」や他の著書で既に紹介されたこともある会社が何社もあったが、はじめて名前をきく会社も多かった。マニー、エーワン精密、未来工業は自分も投資している(笑) 広島県の企業(エフピコ、お多福グループ、)も紹介されていてうれしかった。イオンレイクタウンも取り上げられていたのは少し意外だった。
読了日:08月31日 著者:坂本 光司,坂本光司研究室

きみが見つける物語  十代のための新名作 友情編 (角川文庫)きみが見つける物語 十代のための新名作 友情編 (角川文庫)
「きみが見つける物語」の友情編、今回は粒ぞろいの作品ばかり。特に良かった二編。「秋の足音」は視覚障害者の青年をつけている誰かを突き止める話から意外な展開へ。登場人物の印象や思いが二転三転し、真実の思いはどれなんだろう…?と。ちょっぴりどろどろとしたものを感じながらも、彼らが幸せになってくれればいいな。朱川湊人の「いっぺんさん」は不覚にも泣かされた。少年時代の友情、突然の別れ、そして不思議な体験。悲しいけれど暖かい気持ちになれる話。ところで朱川さん、「わくらば」シリーズの続編はマダー?(・∀・)っ/凵⌒☆
読了日:08月31日 著者:

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