大分日にちが空いちゃいましたが、去る3月20日・春分の日に投資先の1社である「ペパボ」こと株式会社paperboy&co.(ペーパーボーイアンドコー)の株主総会に出席してきました。
場所は昨年と同じ、ペパボが本社を置く渋谷のセルリアンタワーでしたが、地下だった昨年と異なり、少し狭いけれど地上39階の見晴らしの良い会場でした。
ペパボはレンタルサーバーのロリポップ!などをはじめとする個人向けホスティングサービスやユーザー数日本最大のソーシャル本棚サービス・ブクログなどのWebサービスを事業としている会社です。
とても上場企業とは思えない面白い社風が特徴で、僕もこの会社のことを知って以来、すっかり気に入ってしまいました。
社員の方々がけっこうTwitterを利用されていて、僕も社長のケンタローさんをはじめ何人か相互フォローしてもらってます。
で、今回の株主総会ですが。
今年1月に創業から10周年を迎えたこともあるのでしょう、本総会の議事で会社のミッションをこれまでの「より多くの人に情報発信するよろこびを提供する」から「インターネットで可能性をつなげる、ひろげる」に変更しました。
株主の質疑応答ではペパボがこれまで手薄だったスマートフォン・タブレット向け分野や昨年分社化した株式会社ブクログについての質問など多くの質問が出ていて、株主達の同社への期待の現れを感じました。
株主総会と懇親会の合間にはかちおさんと一緒に星さん達とお話しできたり、ペパボの皆さんとの集合写真に入れてもらったりしました。
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以下、ペパボについて僕の思っていることです。
ペパボって上場企業でありながら、ちょっと毛色の変わった会社だと思います。この記事を読んでくださっている人たちもそこは同意してくださるんじゃないかと思います。
勢いのあるネット系ベンチャー企業は多かれ少なかれ似たものはあるのかも知れませんが、その中でもペパボは社員の人たちのTwitterやブログなどで目にする社内の様子が活気にあふれていて、ちょっとそれ上場企業としてどうなの?というくらいはっちゃけたりして(ケンタロー社長のコスプレからして他の会社じゃありえないですよね)、「もっとおもしろくできる」という同社の理念を地でいっているなと感じます。
Googleだとか、国内ではクックパッドなどとも似たものを感じますが、ペパボも含めてそれらの企業に共通する独特の雰囲気を僕は「MoJo(モジョ)」と呼んでいます。
MoJoって聞きなれない言葉だとおもいますが、「Small Giants [スモール・ジャイアンツ] 事業拡大以上の価値を見出した14の企業」という本の中で用いられていて、規模の大小にかかわらず非凡な事業活動を行なっている企業の持つ形容しがたい特質を指しています。
この本の中で述べられているのは主に株式非公開の中小企業について述べていますが、同様の特質はかつてのアップルやパタゴニアといった有名な大企業も持っていたと著者のボー・バーリンガム氏は述べています。そして、その企業の大半が事業拡大の過程で最終的に「Mojo」を失っていったとも。
ペパボは今年の1月に創業から10周年を迎えました。しばらく前には創業者の家入一真さんが持ち株を全部売り払い、役員からも外れたことで親離れした格好になります。一昨年あたりから新卒を採用するようになって、従業員数も200人を超えて来ました。
これから同業他社との競合など外部問題はもちろん、社内での軋轢など内部の問題も増えてくるんじゃないでしょうか。
そうやって会社全体が新しい価値を生み出すのではなく内向きに力を使うようになると、上で述べた「Mojo」は失われ、官僚化した大組織へ成り下がっていく例は枚挙にいとまがありません。
ペパボにそうなって欲しいとは僕もまったくこれっぽっちも思っていません。でも上場企業として株主からの成長期待や小規模だった頃と比べると、Mojoを維持するのは格段に難しいことだと思います。
ペパボは大好きな会社です。大好きだからこそ、ペパボが外部からの成長期待とMojoを両立させていけるのかどうか、一個人株主として見守っていきたいです。
会場隣接の休憩室に置いてあったペパボの歴代の株主通信たち。
お薦めの書籍。