久しぶりの読書まとめ記事更新です。
過去半年くらいサボってる月が多いですが、実は下書きのまま、感想が書けない本があるのを気にして公開していない状態です。
でもそんなこと言ってたらいつまで経っても公開できないなと考えなおし、今月から感想を書いてない本があってもどんどんアップしていくことにします。
読書まとめだけじゃなく、他の内容でもガンガン書いていった方がよいのかなと思ったり。
2013年4月の読書メーター読んだ本の数:23冊読んだページ数:6114ページナイス数:1699ナイス4月は読書ペースとしては低調で、久しぶりに1日1冊どころか25冊も割り込みました。
世間では村上春樹の久しぶりの新刊「
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が発売され、あっという間に重刷されていってますね。僕も発売日当日に買いました(読み終えたのは数日後ですが)。前作「
1Q84」が単行本3冊、文庫では6冊という長巨編だったのでそれに比べるとあっさり読み終わってしまいました。あっさり目ではありますが、村上春樹ワールド全開という感じでしたね。色々伏線を放りっぱなしのところとか(オイ)。
リチャード・M・ストールマン(RMS)の「
フリーソフトウェアと自由な社会」は下にも書いていますが「自由なソフトウェア」を追求する彼の強烈な思想をモロに感じる濃い一冊でした。
小説では小川糸の「
食堂かたつむり」がよかったです。傷心の女性が故郷に帰り、1日1組限定で客に料理をつくるという突拍子もない設定ながら、食材を慈しみ客の人生に想像をめぐらせ、全霊の料理でもてなす描写は自分の心も癒されていくようでした。
また愛読書である石川拓治・著「
奇跡のリンゴ」が6月8日から阿部サダヲ主演で映画化されることになり、公開を楽しみにしながら再読しています。何度読んでも涙を堪えるのが大変な木村秋則さんの不可能への挑戦を描いたこのノンフィクション、ぜひぜひ他の人にも読んでもらいたいです。
はるがいったら (集英社文庫)の感想飛鳥井千砂さんのデビュー作。彼女の作品は何冊か読んでいるけれど、デビュー作でこれほどの女性の心理描写はさすがだと思う。完璧性の姉・園は、こんな女性いそうだよな〜と。その自分に妥協しない生き方は他人からみると眩しくて息苦しくなることもあるのかもね。老犬ハルの介護と死別を経て、対照的な性格の姉弟にはどんな変化がもたらされるんだろうか。読了日:4月1日 著者:飛鳥井 千砂フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集の感想読むのにえらく時間がかかった。中身は濃ゆい濃ゆい。/フリーソフトウェアの「フリー」は価格とは無関係で「フリースピーチ(言論の自由)」のフリー。/フリーソフトウェアとオープンソースソフトウェアは似て哲学的な根本思想が異なるもの。/一般にLinuxと呼ばれているオペレーティングシステムはGNU/Linuxと呼ぶべき。/知的財産権は誤解を招く用語。著作権、特許権など別々の法律に根拠を置く権利について個々に考えるべきこと。/特に出版や電子書籍に関する議論は今ホットな話題だけに考えさせられた。読了日:4月4日 著者:リチャード・M・ストールマン,Richard M. Stallmanささみさん@がんばらない 9 (ガガガ文庫)の感想今回はシヴァ=ヴィシュヌの物語。日留女の対抗兵器だったが宇宙人事件で汚染され破壊神となった彼女。過去の鎖々美に干渉しようとする企みを阻止すべく情雨と玉藻前が必死に追跡するが…。これまで超然として捉えどころのなかったヴィシュヌの過去のエピソードは身をつまされる。ヴィシュヌも鎖々美のようにがんばりすぎてたんだなぁ。読了日:4月6日 著者:日日日Google問題の核心――開かれた検索システムのためにの感想Google「私…全ての情報をユーザーが検索ワードを入力する前に提示したい。すべての宇宙、過去と未来の全ての情報を、この手で」キュゥべえ「その願いは!?そんな祈りが叶うとすれば、それは時間干渉なんてレベルじゃない。因果律そのものに対する反逆だ!君は…神にでもなるつもりかい?」Google「Google検索を信じたユーザー達を、私は泣かせたくない。最期まで笑顔でいて欲しい。それを邪魔するルールなんて、壊して見せる。変えて見せる。さあ、願いを叶えてよ、インキュベーター!」読了日:4月7日 著者:牧野 二郎奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫)の感想『リフレイン読み』6/10(通算7回読了)。2013年4月8日読了。6月にこの本を原作とした映画が公開されるので、それまでに兼ねて目標としていた10回再読を終えておきたい。木村秋則さんは自分が筆舌に尽くし難い苦労を重ねて見出した無農薬・無肥料栽培を独り占めせずに誰にでも教え広めようとしている。少し前に読んだ「フリーソフトウェアと自由な社会」の中でリチャード・ストールマンが述べていた農業の特許の話を思い出した。読了日:4月8日 著者:石川 拓治レンタルサーバ活用ガイドの感想図書館本。さくらインターネットやFC2を例に、レンタルサーバーを借りたりCMSを導入したりの説明がスナップショットつきでされている。ただユーザー登録してソフトをダウンロードして…というのはどれも操作そのものは似通っているので退屈。始め方だけでその後の運用方法については書かれていないので本当に何をすればいいかもわからない人向けかな。読了日:4月9日 著者:アヴァンテ『旅立ち。卒業、十の話』 (ダ・ヴィンチブックス)の感想表紙の多部未華子さんにひかれてジャケ買い。「卒業」というタイトルから学園物を想像していたら、そうではない方が多いとは(笑)一つの単語をキーワードとしていても、色々な切り口があるものだなと感心。「おしゃれ奴隷」や「さようならの雪」は家族の憎愛の心理描写にハッとさせられた。読了日:4月10日 著者:ダ・ヴィンチ編集部/編書店ガール (PHP文芸文庫)の感想序盤の女同士のドロドロした対立関係に少々辟易したけれど、どちらの心情もフェアに描いていて、こういうのって実際にありそうだなとは思えた。後半、主人公二人が共闘して店を立て直しがうまくいき過ぎて、正直こんなにうまくいかないだろう…とは言え、店舗経営に一発逆転はなく、地道な施策を積み重ねていくという過程は好感が持てた。読了日:4月11日 著者:碧野 圭グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた (新潮文庫)の感想ソニーで20年以上働き、その後Google日本法人の社長も務めた著者の半生記。戦後のモノづくり大国日本を代表する企業ソニーに愛着を抱きながらも、大企業となり官僚化した組織に足を引っ張られ挫折を味わう様子がやり切れなさを感じる。その後入社したGoogleの徹底した採用姿勢や社員たちに雰囲気との対比は新旧/日米ベンチャーの世代交代(というのも不適切?)を感じさせる。読了日:4月13日 著者:辻野 晃一郎走れメロス読了日:4月13日 著者:太宰 治これならわかるサーバ 入門の入門読了日:4月14日 著者:瀬下 貴加子模倣の殺意 (創元推理文庫)読了日:4月16日 著者:中町 信色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の感想今年100冊目に読了したのは書店で売り切れ続出の村上春樹の新刊。タイトルだけみると何のこっちゃ?だけど読むとわかる。文章全体に漂う雰囲気は昔の村上春樹作品と同じものだが、グーグルやフェイスブックという言葉が出てくる辺りはいかにも2010年代。多崎つくるに大きな傷痕を残した16年前の出来事の秘密は明かされても、その他のいくつかの謎は残されたまま、というのが村上春樹らしい。それにしても、彼が空っぽだというのは同じ男として同意しかねるな…。読了日:4月17日 著者:村上 春樹小飼弾のコードなエッセイ ~我々は本当に世界を理解してコードしているのだろうか? (Software Design plus)の感想小飼弾さん(@dankogai)の新著、今年101冊目(『コードなエッセイ』だけどこれは10進数で笑)の読了。今年3冊出た著書の中では一番、弾さんの文章が活き活きしていた気がするのは気のせいではないと思う。引用されているコードの多くは理解できなくても、コンピュータに興味を持つ人なら楽しめるんじゃないかな。ハードウェアとソフトウェアのコアな話から原発事故や税制といった社会問題まで幅広く取り上げながら弾節を効かせていて思わずクスリとしてしまう。#15〜#22あたりは個人的に興味深かった。読了日:4月19日 著者:小飼 弾ささみさん@がんばらない 10 (ガガガ文庫)の感想るるなちゃんが小学生に通うというので、もう生まれてからそんなに経ったのかと思ったらそうじゃなかったのね。今回はたまがまた何やら企てていると思ったら、北欧神話がモチーフの、るるなちゃんへのスパルタ授業。今まで良い子だったたまの本音の部分もきけてよかった。読了日:4月20日 著者:日日日RDGレッドデータガール はじめてのお使い (角川文庫)の感想前から気になっていたけれど、アニメ化を機に読んでみた。タイトルから想像していたイメージと内容にけっこうギャップがあったなあ。でも泉水子は中学三年生まで山奥の神社にある家と学校の行き来(文字通り)しかしたことがないって、確かにレッドデータブック級の女の子かも。彼女の血筋の宿命とその力についてはまだほんのさわりしか説明されていないので、次巻以降にも期待。内気な女の子と秀才の男の子が同居するはめになるって少女漫画では割とベタな設定ではあるが、最後の舞いで深行が泉水子を見直すところがよかった。読了日:4月21日 著者:荻原 規子食堂かたつむり (ポプラ文庫)の感想傷ついた女性の再生の物語というと吉本ばななをはじめ何冊か読んだことがあるが、これは特によかった。恋人に裏切られ口がきけなくなり、10年ぶりに故郷に戻り食堂をはじめた倫子。1日に1組だけのために食事を作るという常識はずれの営業スタイルながら、彼女の精魂込めて作る料理は幸せを呼ぶと評判になっていく。生命を奪って口にする食材への感謝、手際よい調理の描写、料理を口にするお客さん達へのもてなしの心と想像力。そのどれも素晴らしい。余命幾ばくもない母親の結婚式に供するために愛豚を屠殺し解体していくシーンにはグッときた。読了日:4月22日 著者:小川 糸プログラミングでメシが食えるか!?―成功するプログラマーの技術と仕事術の感想タイトルはちょっと釣りっぽいけれど、中身は至って真面目なプログラマの仕事のHowTo本。著者の経験的にC言語の話題が多かったが、得意分野を見つけて知識やノウハウの蓄積をすることの重要性が繰り返し語られていた。読了日:4月23日 著者:小俣 光之